「なによ、馬鹿!ボケ!知らないっ」
子供みたいな悪罵をつくと、加奈はきびすを返して走り出してしまった。 まさかここまでの反応をすると予測してなかった僕は、あわててその後を追う。 「行かないで」 誰かがそんな僕を呼び止めた。 浜辺を振り向いても、それらしき人影はない。 それより、海の上に紫色ともなんともつかない、どす黒い空が広がっていた。 夕方は夕方だったけど、こんな不気味な色をしていただろうか。 加奈は松林の間の道を曲がってしまって、姿が見えない。 今ならまだ追いかけられる。だが僕は、しばし躊躇した。 どうしようか…。僕は気味の悪い空を見上げ、考える。 >>追う >>追わない
by sillin
| 2005-06-28 17:58
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