加奈はポニーテールとケラケラ笑う声が特徴的な女の子だ。
何か薬を打ってるんじゃないかと思うくらいテンションが高い。 面倒見がよくて人間関係の立ち回りもうまいから信頼できるのにそこが欠点だ。 「そりゃ、幻覚だって。マボロシ!」 僕が期待したとおり、加奈はこともなげにそう言った。極端なくらい現実主義者なのだ。 沢田が死んだ時も、噂との一致に騒然とする学年の中、唯一と言っていいくらいそれを否定した人物だ。 「あんなことがあったからさ、見なくていいものを見たんだよきっと!絶対!」 立て板に水を流すように言われると、こっちもなんだかそう言う気になってくる。 「ありがとう。疲れてるんだよな、たぶん」 「そうそう。あたしも疲れると色々見るもん!光の粒みたいなのが目の前横切ったりさぁー」 「そりゃ、肩が凝ってるんだよ」 ひとしきり話していると元気が出てきた。あれはきっと、幻なんだろう。 >>次へ #
by sillin
| 2005-06-23 19:10
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